1 点字の開発者ルイ・ブライユをめぐる旅へ

 フランスの首都パリにある王立盲学校に在籍していた盲目の少年ブライユは、1826年頃、アイデアを得て6点点字を開発しました。
 のちにその盲学校の教師になってからも彼は研究を続けて、やがて世界中で使われることになる「6点点字」の基礎をつくりました。
 今ではブライユという彼の名前を英語読みした「ブレイル」が、「点字」という意味の英単語にもなっています。

 ルイ・ブライユは1809年に生まれて、1952年に亡くなりました。
 一昨年(2009年)はルイ・ブライユの生誕からちょうど200周年ということで、世界各地でブライユを讃えるイベントが開催され、関連書籍が出版されたり、記念切手が発行されたりしました。

 翌2010年の春、私はパリを訪れる機会があって、できるかぎりブライユの暮らした場所やゆかりの地を歩いてみることにしたのでした。

 私のもっていた旅立つ前の情報は乏しいもので、用意できたのは、インターネットで検索したいくつかの情報と、『点字発明者の生涯』(ピエール・アンリ著(1952)、奥寺百合子訳、朝日新聞社、1984)という一冊の本だけでした。
 あとはつたない英語と、二三のフランス語の挨拶言葉だけを活用して、私の<ブライユ探訪>をすすめていきました。

 点字発祥の地をめぐり歩くのは、点字に興味のある人にとって心楽しいものになるはずです。このエッセイで、旅路の雰囲気が伝えられたらと思います。
 そして、もしも(行ってみたいなぁ)と思われる人がいたなら望外の喜びです。
 ブライユをめぐる旅のガイドブックの役割が果たせるように、細かなことも綴りました。