7 ブライユ探訪ガイド(ルート案内)

 このエッセイで訪れた場所へのルート案内を示します。
 実際に行かれる場合は、施設や交通手段の値段や開館時間などをもう一度ご自身で確認してください。変更や変則的なものもあるかもしれません。もしかすると、私のように現地で行き当たりばったりではなく、事前に日本の点字関連施設などに問い合わせればよりよい情報が得られるかもしれません。

 パンテオン霊廟のルート案内:
 パリ市内の北部にある北駅 Gare du Nord を起点として、そこからご案内いたします。
 北駅は大きくて複雑なので、駅構内でも人に尋ねながら行ってください。フランス人は紳士的な態度で積極的に教えてくれることが多いので、気兼ねせずに訊きましょう。英語が通じにくいこともありますが、我々日本人よりは堪能であることがほとんどです。ただし、挨拶はフランス語で話すと好印象です。駅にも建物にも階段が多く、上ったり下りたりすることがありますから、気をつけて歩いてください。
 行き方1・・・・・・市内地下鉄メトロで行く場合は、北駅で市内地下鉄メトロ Metro の切符売り場を探して、5番路線の Place D'Italy 方面行き乗り、Gare D'Austerlitz 駅で今度はメトロの10番路線の Boulogne Pont De St Cloud 方面行きに乗り換え、2駅めの Cardinal Lemoine 駅で下車します。改札を出て階段で地上に出ると坂の途中の交差点です。振り返り、坂を上る方向へ歩道を進みます。少し先を右に折れてまっすぐずっと行くと、パンテオンの裏手に出ます。
 行き方2・・・・・・パリ郊外列車で行く場合は、北駅でパリ郊外列車 RER の切符売り場を探して、リュクサンブールという駅までの切符を買います。改札を通り、RERのBという路線の、Gentilly 方面に向かう電車に乗ります。Luxembourg(リュクサンブール)という駅で降ります。改札を出たら、右手にある階段を上がり、地上に出たら左回りに振り返る形で歩道を進みます。そして少し行って横断歩道を渡り、次の交差点で右に折れます。そのまっすぐ先がパンテオンですが、そこまで小さな横断歩道がいくつもあり、また通りの向こう左手に渡ってパンテオンの入口になりますので、ちょっと複雑です。注意して歩いて下さい。パンテオンの入口にも階段があります。

 パリ第28郵便局のルート案内:
 パンテオンへの行き方1と、下車駅まで同じです。Cardinal Lemoine 駅で下車し、改札を出て階段で地上に出ると坂の途中の交差点です。その坂を、大きな横断歩道を渡って下る方向へ進みます。下りきったところの横断歩道を渡れば、そこがパリ第28郵便局です。

 クプヴレ村のルート案内:
 クプヴレ村 Coupvray Village は、「クーブレ村」とか「クウブレ村」とか日本語表記の仕方はさまざまですが、フランス語の発音では、「クプヴレゲイ」を速く言ったような感じが本当のところです。
 まず、パリ市内の北駅 Gare du Nord を起点としてしまいますと、ちょっと手間取ります。とにかく500メートルほど離れた東駅を目指してください。
 (私たちの場合は、北駅から長々と迷いながら歩きました。東駅 Gare de L'Est も大きな駅です。なぜ私たちが迷ったのかというと、地図を見てみると路線が北駅と東駅でちゃんとつながっているんです。ところが、フランスでは常識らしいのですが、地図上で線路がくっついていても、そこを電車で乗っていけるかどうかは分からないのです。結局、北駅から東駅を通ってクプヴレ村の方まで乗っていく国鉄はなかったのでした。)
 北駅から東駅に行く国鉄はないので、15分程大通りの歩道を歩いて行くか、メトロで行きます。メトロだと4番路線か5番路線に乗ればひと駅です。
 東駅に到着したら下車して、今度は国鉄に乗ります。(メトロでも、RERでもありませんのでご注意ください。)
 チケット売り場でエスブリー駅( Esbly )行きのチケットを買って、改札の手前で待ちます。チケットには時間も指定されています。出発まで時間がある場合も、雰囲気のいいカフェが改札の前にあるので安心です。
 この郊外へ向かう国鉄の改札は、まるで空港のチェックインをする場所のような雰囲気もあります。延々とずらり改札が並び、掲げられた電光掲示板で何番搭乗口にどこ行きが来る、と示してあります。発車するちょっと前になると、改札を通れるようになります。
 ところが、ここはフランスです。何事においても日本のようには説明が十分ではありません。私たちが乗った電車についていえば、土壇場で搭乗口の番号が換わったので、我われは非常に焦りました。
 二階建ての快適な列車。30分程でエスブリー駅に到着です。小さな駅のホームを出て、バス停があるので運転手さんにルイ・ブライユミュージアムとかミュゼとか、ボーンハウスとか聞くと、近くのバス停まで行けるバスを教えてくれるでしょう。
 私たちのように歩いて行くには、4キロの道程があります。とちゅう歩道がない場所があるので、車道を歩く場合は十分注意して下さい。
 まず、駅の線路を渡る歩道橋を渡り、線路と直角方向に商店街をまっすぐ進みます。しばらく進むと車通りにぶつかりますので、その道に沿って歩道を右手になだらかに進みます。ゆったりと水を湛えた農村を通る美しい川があり、その橋をそのまま渡ります。しばらく進むと、ロータリーといいますか、モニュメントの置かれた芝生の空間などがある交差点がありますので、右に折れます。角にはピザ屋さんがあります。
 その通りがルイ・ブライユ通りです。延々と1キロか2キロ、道なりです。
 エスブリーの町からクプヴレ村に入る標識があります。まだまだ行きます。
 右手に大手スーパーのカルフールがあり、ほかの商業施設も小さく密集しています。その商業施設に沿ってまっすぐ進みます。
 しばらく行くと、公園や林があり、道は少しくねくねと曲がります。もうミュージアムの案内表示が小さく出てくるので、その表示に沿って進んで下さい。左手が、クウブレ村です。クプヴレ村に入ってすぐ、バス停もあります。バス停からは3分です。バス停を通り過ぎ、しばらく歩いて右に折れ左に折れると、ブライユの生家が左手にあります。
 ルイ・ブライユ博物館の休館日は、火曜日と祝祭日です。開館時間は、4月から9月が10時から12時と14時から18時。10月から3月が、14時から17時。
 入場料は5ユーロあるいは8ユーロだったかと思います。
 ルイ・ブライユ博物館の住所=13 rue Louis Braille 77700 Coupvray, France
 /連絡はクプヴレ村役場ホームページから?(連絡がとれた試しがないのですが・・)= http://www.coupvray.fr/coupvray/menu_principal/decouvrir_coupvray/louis_braille

 ヴァランタン・アユイ博物館のルート案内:
 起点を北駅 Gare du Nord として、メトロの切符を買って、4番路線の Montparnasse Bienvenue 方面に向かうメトロのホームを探して電車に乗ります。Odeon 駅で下車、10番路線のBoulogne Pont de St Cloud 方面に乗り換えます。Duroc 駅で下車、改札を出て階段で地上に上がると、すぐそこの左手にはINJA(国立パリ盲学校/インジャ)があります。歩道をそのまま進んで、次の角でインジャの敷地に沿って左に曲がります。ちょっと進んで横断歩道を渡ったところの左手が、ヴァランタン・アユイ協会の建物です。建物の最初の角は点字用品販売受付ですが、そこを通り過ぎると同じ建物に別の入口があります。入って右手の受付から、ヴァランタン・アユイ博物館に案内してもらいましょう。
 ヴァランタン・アユイ博物館は入場無料です。開館は火曜日と水曜日のみで、開館時間は14時30分から17時。ただし8月はまるまるお休みです。他にも臨時休館日があるそうなので、事前に問い合わせてみてください。
 ヴァランタン・アユイ協会(博物館)の住所=5 rue Duroc 75343 Paris, France
 /ホームページ=http://www.avh.asso.fr/rubriques/actualites/actualites.php?var・titre&infos・432
 ちなみに、「アンヴァリッド通りにある」、と言われるヴァランタン・アユイ博物館および国立パリ盲学校インジャですが、どうも人に尋ねてもそのアンヴァリッド通りが分かりにくいのです。そこでまず目安として、メトロのデュロック駅(Duroc)を探して、地上に上がります。すぐそこが盲学校で、その通りは Bd. des Invalides という街路樹のある広めの通りです。メトロを出た場所から盲学校の入口を通りすぎて、次の通りを左に曲がればすぐにヴァランタン・アユイ博物館に辿り着けます。ちなみにその小さな通りの名前はデュロック通り Av.Duroc です。

 切手市:
 北駅からだと、メトロ4番路線の Montparnasse Bienvenue 方面に向かう電車に乗り、Chatelet 駅で乗り換えて、1番路線の La Defense (Grande Arche) 方面に向かう電車に乗っていき、Champs Elysees Clemenceau 駅で下車します。
 地上に上がると、そこはシャンゼリゼ通り。大きな横断歩道を渡り、グラン・パレやプティ・パレとは逆方向に向かって、シャンゼリゼ通りと交わっている Marigny 通りを進みます。するとすぐに、右手に通りを折れるとテントの群れがあるでしょう。
 住所=Av.Marigny(通り)と、Av.Gabriel(通り)の交差点にある歩道。
 開店=木・土・日曜日の9:00から19:00。ということになっていますが、15:00には片付け始めていたので要注意です。

 ルーブル地区の記念切手局:
 北駅からだと、メトロ4番路線の Montparnasse Bienvenue 方面に向かう電車に乗り、Les Halles 駅で下車します。そこはフォーロム・デ・アールという現代的な大商業施設の建物の中ですから、エスカレーターで地上に出てください。
 そして、通りを左手に向かってまっすぐ歩いて行き、サントゥスタッシュ教会の脇を通り過ぎ、カフェの数軒を通り過ぎると、ルーヴル通りにぶつかります。そこを右に折れてしばらく行くと、ルーブル地区の大きな郵便局が右手にあります。その郵便局の、通りを挟んだ真向かいに、比較すると小さい記念切手局があります。
 記念切手局の会社「CERES Philatelie」のURL=http://www.ceres.fr-infos@ceres-philatelie.com

 とりこぼした場所について:
 私には、帰国してから「ああ、ここも行かなかった!」と思う場所がいくつもありました。そういった場所についてはもちろんご案内できませんが、リストアップして示しておきたいと思います。
 ・クプヴレ村の教会、St Peter's Church。ブライユが生まれた二日後にここで洗礼を受けた。
 ・国立パリ盲学校の展示室。公開日はとくにないので問い合わせが必要。アンヴァリッド通りの盲学校(INJA/インジャ)内にある。ヴァランタン・アユイ協会に隣接している。この学校でブライユは、晩年の何年か教鞭をとった。
  国立パリ盲学校(INJA/ Institut National des Jeunes Aveugles)の住所=56 boulevard des Invalides 75007 Paris, France
/ホームページ=http://www.inja.fr
 ・サン・ニコラ・デ・シャン協会、およびセーヴル通りのラザリスト会本部大聖堂。ブライユは晩年、これらの教会でパイプオルガンの演奏をしたことがある。